都市を地上戦に

建築の力はとっても偉大だと思う。

一つの建築が建つことにより、言葉やドローイングではたどり着けない圧倒的なリアリティが生まれてしまう。

それは都市をより良くすることも、あるいは殺すことさえできる。

一昨日、大阪市立大学の豊崎都市研究プラザを見学させていただいた。
此れは大阪駅から徒歩15分ぐらいのすごくと真に近い戦災を免れた地域の長屋を改修したものだ。此れが特徴的なのは一軒だけの改修ではなく、複数の改修を継続的に行い、不動産、街づくり、都市計画、建築が混じり合いながら以下のこの場所をよくできるか、この舗装もされていない路地を以下に残せるのかを議論を重ね、実際の改修までつなげているところである。
改修は竹原義二研究室が設計を担当し、教授の指導を受けながら実際の設計を学生が卒業制作として行い、工務店とやり取りし、元々の柱などは自分たちの手で磨き、作っている。
ほとんどもう事務所みたいだなという感じ。
そしてその設計をした本人が社会人になり、みなさんそこに住んでいる。
大家サンも大体五年ぐらいで利益が還元されるらしくその後も良質なデザインが残ることで収入も得られる。

本当にこのプロジェクトはみんなをハッピーにしているし、僕もここを訪れるだけでものすごくものづくりとか、空間とか、まちとかを感じてパワーをもらって帰ってきた。

こうやって様々な分野の人々が一つの場所を通じて話し合い、その場所をいかに良くできるのか、あるいはいかに良い部分を残していくのかなどを具体的に考えることを「地上戦」と建築家の教授はいっていた。

僕たちは都市というものをすごく遠くように感じてしまっている。
けれどホントはもっと近くにあるもので今は空中戦でしか語られていない都市を地上に引きずり降ろさないといけないんだ。

そのとき僕たちはさまざまな人々との出会いがあり、新たな友達、古い友達に助けられ、意見を交わし、その場所がどうあるべきなのかを考えていくのだろう。
そのとき建築というモノを作ることが指標となり新たな都市へと向かう原動力となるんだと豊崎の長屋が僕に教えてくれた。


建築家として他人に与えられるモノに対する知識と周りへの安心感は経験と知識が複合された知恵から生み出される。建築家として芯はモノにあるんだ。

都市を地上戦に。

今ある風景の良さを見つけ出し、その場所を残していきたい、生活をしたいと思える土壌を作りへ。

そこにすむひとにはその場所に関わった記憶は一生ものなんだ。

そういう一生ものの都市をつくる手助けを僕は建築家として実現させたい。
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by hama_boy | 2010-11-29 00:48  

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